化学分析 - SCIENTIFIC ANALYSIS -
表面張力
表面張力とエネルギーの高さ
水などのエネルギーを調べるには’‘表面張力’‘という一つの指標があります。この値を調べることで、その水がどの位のエネルギーを持つかの一つの指標となります。水分子の振動が大きくなると、この値が下がり、水分子の振動が小さくなると、この値が上がります。この値を調べることで、その水の持つエネルギーを評価することができます。
水の表面張力と温度の関係
この表面張力は温度依存で、温度が上がるとこの値が下がり、温度が下がるとこの値が上がります。通常の水は20°Cで72.75dyn/cmの表面張力を持ちます。温度が40°Cになるとこの値が69.59に、100°Cでは58.85となります。
表面張力を表す単位は[N/m] [dyn/cm]で表されます。
【表.1】
20°C 72.75
40°C 69.59
60°C 66.18
80°C 62.61
100°C 58.85 [dyn/cm]
この上の表.1は、温度と表面張力の関係を表したもので、水温が上がり、水の運動エネルギーが活発になると表面張力が下がり、水温が下がり、水の運動エネルギーが低下すると、表面張力が上がるということを表しています。
この表面張力の値は水が変わらなければ一定で、温度が上がれば下がり、温度が下がれば上がります。しかし機能性を持った水の中には、20°Cでの表面張力値が、100°Cの熱湯よりも低い値を持つものがあります。
私たちが洗濯や食器などを洗う時には、冷たい水よりぬるま湯で洗った方が汚れが落ちやすいことを感覚で知っています。 これは20°Cの水で洗うよりは、60°Cのお湯で洗った方が、水のエネルギーが高く(振動が大きく)汚れが落ちやすいという理由からです。
下の写真では、左側容器の水の表面に盛り上があり、右側の水の表面は盛り上がりがあまりありません。この水面の盛り上がりが少ない水ほど表面張力が低くなります。
植物細胞水の中では、ハマナスの花水の表面張力が特に低く、20°Cにおけるこの値は43~48ダインでした。 この値だけを比べるならば、20°Cにおけるハマナス細胞水のエネルギーは100°Cの熱湯よりも高いということになります。